高血圧とは

クリニックでの血圧が140/90 mmHg以上の場合、高血圧と診断されます。クリニックでは血圧が高めに出る人も多いので家庭での血圧が135/85 mmHg以上の場合も高血圧とされます。

血圧の正常は120/80 mmHg未満(家庭では115/75 mmHg未満)で、正常と高血圧の間の120-140/80-90 mmHgの方でも様々な疾患の危険性が高くなるため、血圧を上げないようにする注意が必要です。

高血圧の症状

高血圧は「サイレントキラー」と呼ばれるほど、症状が現れにくい病気です。ただし、進行すると以下のような症状が出る場合があります。

  • 頭痛や頭重感
  • めまい、耳鳴り
  • 動悸や息切れ
  • 肩こりや手足のむくみ

症状がなくても高血圧は健康に影響を及ぼす可能性がありますので、定期的な血圧測定を心掛けましょう。

高血圧の原因

高血圧の原因は様々で、塩分摂取過剰や肥満などの生活習慣のみではなく遺伝的な要素も大きいと言われています。

また、二次性高血圧と言って何かの疾患が元にあり、それにより高血圧になっている方もいます。例えば原発性アルドステロン症という病気がありますが、これはアルドステロンというホルモンが過剰に出ていることで血圧が高くなります。高血圧の方の10%程度が原発性アルドステロン症と言われており、診断されず通常の高血圧として治療されている方も多い疾患です。

二次性高血圧は高血圧の治療をするのみではなく元の疾患を治療することで血圧が改善しますので、二次性高血圧でないかの判断は非常に重要です。特に若年の方や治療でなかなか良くならない場合は積極的にホルモン検査などの評価を行っていきます。

高血圧の治療

動脈硬化を進行させないため血圧を130/80 mmHg未満(家庭では125/75 mmHg未満)で維持することが治療の目標となります。高齢の方では少し高めを許容することもあります。

生活習慣での注意点は塩分摂取を減らす、肥満がある人は肥満を改善する、習慣的に運動をすることなどが挙げられます。野菜や果物を多くとることも推奨されます。野菜や果物にはカリウムが多く含まれカリウムは塩分を体外に排出してくれるので血圧が下がります。ただ腎臓が悪い方や糖尿病のある方はカリウムを体外に排出できず高カリウム血症となり不整脈の原因となることもありますので、野菜や果物を多くとってよい状態か確認が必要です。

二次性高血圧がある方は原因となっている疾患を治療することで血圧が下がります。

これらの治療でも目標まで血圧が下がらない場合は飲み薬を使用することになります。飲み薬には種類がたくさんあり、高血圧以外にどのような病気があるかによって優先的に使用した方が良い薬が決まっています。その方の状態により避けた方が良い薬もあります。それぞれの方にどの薬が適切か判断して処方いたします。